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歳時記6月 二十四節気 芒種

芒種

梅雨入りを知らせる黄色い梅、農作業後の草むらにはホタルの光

「芒」(のぎ)とは稲などの先にある突起の部分で、「七種」とはそうした穀物の種を蒔くころのこと。

麦の刈り入れが終わり、田植えシーズンが本格化。ちょうどこのころには、梅の実が黄色くなり、梅干し作りもスタート。

引き続き、農家は多忙を極める。

一方で、天候は梅雨入り間近。

今と違って手作業ですべてを行い、ひとつの作業にかかる時間も労力も相当なものだったことを思うと、天候と真剣に向き合うようすが伺えるようだ。

 


【植物・生き物】

アジサイ

アジサイの仲間はとても多く、色も多彩。

土壌がアルカリ性で赤、酸性で青っぽくなるといわれる

夏椿

椿という名だが梅雨ごろに花が咲く。

スッキリとした白い花はとても清楚な印象

キキョウ

秋の七草のイメージがあるが、花が咲くのは6~9月ごろ。

紙風船のように膨らんだつぼみもかわいい

【風物詩・習わし】

鮎釣り

6月にアユ釣りが解禁になると、川では長い竿を持った釣り人が並ぶ。初夏から夏の風物詩

《雑節コラム》

入梅(にゅうばい)

梅雨の季節に入る日を入梅といい、「梅の実が黄色くなるころ」をその目安とし、田植えや麦の収穫のタイミングを計ったという



《季節のレシピ》

ほのかな辛味が清々しい

新ショウガの甘酢漬け

 

■材料:2人分

新ショウガ…100g

酢…50cc

水…50cc

砂糖…大さじ1強

塩…小さじ½

 

■作り方

①新ショウガは、割り箸などで皮をこそげ落とし、繊維に添って薄切りにする。

②沸騰した湯で1をサッとゆで、ざるに上げる。

③鍋にAを入れて中火にかけ、沸騰直前で火からおろし、粗熱が取れたら2を加えて冷ます。

すぐに食べないぶんは清潔な容器に入れて冷蔵保存を。



七十二候

初候:螳蜋生

「かまきり、しょうず」

秋に生み付けられた卵から、かわいいカマキリの赤ちゃんが誕生するころ。

カマキリは害虫を捕まえてくれる、心強い助っ人

次候:腐草為螢

「くされたるくさ、ほたるとなる」

昔の人は、腐った草がホタルになると借じていたという。

ホタルがふわっとあかりを灯し飛び交う風景に、今も昔も心ときめく

末候:梅子黄

「うめのみ、きばむ」

梅の実は完熟し、淡い黄色に色づくころが梅雨入りの目安。

うっとうしい季節だが、植物は恵みの雨を受けて生き生きと育つ