小満
あらゆるものが健やかに育つとき、農作業はおおわらわ
小満とは、あらゆる命が満ちていく時期。
太陽を浴び、万物がすくすくと育つ季節。
梅雨を前に、麦は金色の穂を揺らし、収穫の時を今か今かと待ち、田んぼは田植えの準備に追われる。
さらに育ち盛りの解雇には常に桑の葉を与えて世話をせねばならず、農家は「猫の手も借りたい」ほどの忙しさ。
それを乗り越えてきたのは近所同士で助けある「結い」の関係。
困った時はお互いさま。こうした助け合いの精神は、今なお日本に根づく。
【植物・生き物】
スズラン
開花期は4~5月。
うつむき加減で葉の陰に咲くことから「君影草」(きみかげそう)という奥ゆかしい別名も。
シジュウカラ
胸から腹の黒いネクタイ模様が特徴。
細い声で「ツーピー、ツツピン」と鳴く。
初夏は子育ての時期。
テントウ虫
星の数や色はさまざまで、コロンとした姿が愛らしい。
アブラムシなどの害虫を食べてくれる。
【風物詩・習わし】
早苗田(さなえだ)
田植えが終わったばかりの田は、苗がまだか弱く、田に張られた水に光が反射するようすが鏡のように見えることも
貴船祭り
京都の貴船神社で毎年6月1日に行われる。
祭りの最後にはヤマタノオロチ退治の神話を再現した出雲神楽が奉納される。
《季節のレシピ》
ホックリ焼きたてが美味!
焼きソラマメ
■材料:2人分
ソラマメ(サヤ入り)…6~8本
塩…少々
■作り方
①ソラマメはサヤ入りのまま魚焼きグリルや網で、焦げ目がつくまで焼く。
②器に盛り、塩を添え、むきながらいただく。
七十二候
蚕起食桑
「かいこおきて、くわをはむ」
蚕が元気に桑の葉を食べ、成長するころ。
美しい絹糸を防ぐ蚕は「おかいこさま」とも呼ばれ、人々の生活を支えていた
紅花栄
「べにばな、さかう」
古代エジプト時代から染料として利用されていた紅花。
あたり一面に紅花が咲くと、化粧の紅を採るための花摘みが始まる。
麦秋至
「むぎのとき、いたる」
黄金色に色づいた麦の穂が実るころ。
麦にとっての実りの季節を「麦の秋」と名付けているのも、日本人らしい感覚だ。
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