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歳時記5月 二十四節気 立夏

立夏

爽やかな風と新緑の季節 さぁ、夏が始まる!

ゴールデンウイークが終わるころ、優しかった春の日差しは少しずつ力強くなり、いよいよ夏が始まる。

草木の緑は一層色濃くなり、どこか冷たさを含んでいた風は心地よさを増し、生き物たちは活発に活動を始めると、少しずつ夏の気配が感じられるように。

このころには、古来より日本人に愛され、万葉の歌にも多く詠まれてきた藤の花が咲き誇り、蜜蜂がせっせと花粉を運ぶ。

活気づく自然のようすに、思わず心も弾む。

 


【植物・生き物】

芍薬(しゃくやく)

牡丹(ぼたん)に似るが、牡丹は木、芍薬は草。

冬は休眠し、春に芽を出し、初夏に花を咲かせる。

ドクダミ

日陰を好んで生え、春~初夏に白い花(正確には白い部分はガク)が咲く。

独特の香りの葉は茶葉に。 

カタクリ

3~5月上旬に薄紫の可憐な花を咲かせる。

山菜としても人気が高く、天ぷらが美味。

根は片栗粉の原料になる。

【風物詩・習わし】

鵜飼い

鵜を使ってアユを獲る日本の伝統漁法で『日本書紀』『古事記』にも記載が残る。

岐阜の長良川が有名で、毎年5月11日ごろに「鵜飼い開き」となり、漁が解禁される。

葵祭

5月15日に行われる京都三大祭りのひとつ。平安貴族姿の行列が京都御所を出て、下鴨神社を経て、賀茂神社へ。

厳かで古趣に富む。

三社祭

浅草神社の祭礼で、神田祭、山王祭と並ぶ東京三大祭り。

夏の訪れを告げる行事として賑わう。

5月17、18日に近い金・土・日に開催。



《季節のレシピ》

シンプルなダシ汁で上品に

タケノコとワカメの煮物

 

■材料:作りやすい分量

ゆでタケノコ…200g

塩蔵ワカメ…3~5g

ダシ汁…400cc

薄口醤油…大さじ1

塩…小さじ1/3

■作り方

①タケノコは駆使切りに、ワカメは水で戻し、サッとゆでて水にさらしてざるに上げ、4㎝長さに切る。

②鍋にダシ汁とタケノコを入れて中火にかけ、沸騰したら弱火にして、塩、醬油を加え、蓋をして20分ほど煮る。

③ワカメを加えて2分ほど煮る。

 



七十二候

蛙始鳴

「かわず、はじめてなく」

春先に冬眠から目覚め、まだ寝ぼけていたカエルたちもウォーミングアップを終え、元気に活動を始める。

蚯蚓出

「みみず、いずる」

マイペースなミミズは、他の生き物に比べると少し遅れて目覚める。

土を耕す達人も、いよいよ始動。

竹笋生

「たけのこ、しょうず」

すくすくと成長し、立派な若竹になるタケノコは健やかさの象徴。

初夏の味覚としても欠かせない。