厳しいが続く中、春の気配がかすかに表れる
「小寒」とはまだ寒さは最大ではないという意味だが「小寒の氷体感に解く」という故事もあるほど「寒の入り」を迎えて寒さは一層深まる
この日から節分までを「寒の内」といい、立春に「寒の明け」を迎えるまで厳しい寒さが続く
新暦では正月も過ぎてひと段落する頃だが、旧暦ではまだ年末
一年の農事を終え、正月の準備を始め、大掃除を行うなど、忙しく動き回るうちに寒い時期を乗り切っていたようだ。
《植物・生き物》
柊(ひいらぎ)
葉は真冬でも濃い緑色で鋭い棘があることから、庭に植えると魔よけになるといわれる
南天(なんてん)
「難を転じる」ということから縁起物として祝い飾りに用いられる
冬景色に赤い実が映える
蝋梅(ろうばい)
年明けごろに黄色く愛らしい花を咲かせる
香りがよく、蜜もあることから鳥が好んで食べにくる
《暦の言葉》
七草の節句
旧暦1月7日に春の七草(せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ)入りの粥を食べて、新年の健康を祈る
小正月
旧暦1月15日は新年の初満月で小豆粥を食べて祝う習わしがある
女性がひと息つける時期ということで「女正月」とも呼ばれる
《季節のレシピ》
豊かな香りが心地良いセリと春菊の白和え
【材料・作りやすい分量】
春菊…1/2束
セリ…5株
木綿豆腐…1/2丁
塩…小さじ1/4
練りごま(白)…小さじ1/2
サラダ油…小さじ1/2
【作り方】
❶豆腐は水切りをする。
春菊とセリは沸騰した湯に塩少々(分量外)を加えて茹で、冷水にさらし、絞って4㎝に切る。
❷すり鉢に豆腐、塩、練りごまを加えてすり、最後に油を加えて混ぜ、春菊とセリを加えて和える。
七十二候
芹乃栄
「せり、すなわちさかう」
田んぼや水辺でセリが生え始めるころ
一か所から競い合って生えることからセリと名付けられたのだとか
水泉動
「しみず、あたたかをふくむ」
地中で凍った泉の水が溶け、動き始める
まだ空気は冷たく寒い時期だが、春に向けて自然は少しずつ歩んでいる
雉始雊
「きじ、はじめてなく」
雉の雄が雌に恋して「ケーン、ケーン」と甲高いで鳴くころ
オスは派手な模様だが、メスは茶色でとても地味
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