「高齢者がデジタル技術に慣れれば、家族のみならず別の世代や外国人とも交流する機会が増え、人生をより楽しめます」
若宮さんは、デジタル機器はシニアにこそ必要だと考えている。
「私は70歳のときに母が100歳で他界しました。それからはマンションで一人で暮らしています。でもフェイスブックでたくさんの友人たちとつながっていますし、エクセルアートで日本の伝統的な文様を表現したり、オリジナルデザインで団扇を作ったりなんてこともしてますから、全然孤独ではないんです」
若宮さんはメンバーとして参加している「人生100年時代構想会議」では“リケ老”のすすめを提案。
「リケ老=理系老人です。時代は進歩しています。これから本格的なAI(人工知能)時代に突入していくでしょう。高齢化が進み人の手が足らなくなれば、人間ではなくロボットに介護してもらう時代もくるかもしれません。そんなときにデジタルアレルギーがあったら不幸です。私だって、パソコンもスマホも初めはワケがわからなかったです。でも“時代が生んだ新しいおもちゃ”と思って勉強したら、楽しいんですよ」
デジタル機器を使いこなせるようになれば、時間の効率化、日々の労力の省エネ化もはかることができる。
「私、人生って質×量だと思うんです。もうこの年齢になると、長生きしたいなんて思いません。体の機能は衰えてきて当たり前ですしね。でもだからこそ一日一日の質を上げていきたいんです。生きている間を、どういうふうに有効活用するか。それを考えることが一番大切なんじゃないかな」
そんなマーチャンの今後の目標は「同世代に元気を届け続けることでしょうか。それには私自身が、進化し続けなくては」。
(エディター・赤根千鶴子)
※週刊朝日 2018年4月27日号
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