私の前職は、PCインストラクターです。
どうして、その職業に就くことになったのか
きっかけとなったのは、大学4年の時の教育実習でした。
母校である安古市高校は、レベルが高く優秀な生徒が集まることで有名です。
私は、国語科の実習生として、1年生を受け持つことになりました。
中学を卒業して数か月の彼らはとても可愛くて、私にもすぐなついてくれました。
担当した単元は、古文の「忠度の都落ち」でした。
入念な下調べをして臨んだ初授業。
教員用のマニュアルに沿って、現代語訳を読む前に、いきなり
「どんな印象を受けましたか?」と感想を求めました。
マニュアルには、
「意味がつかめない」
「現代と文体が違う」
などの、感想が出るであろうという想定例がいくつか載っていました。
ところが、生徒たちが発表したのは、
「物悲しい感じがした」
「つらい心情が伝わってきた」
「戦の無情さに、怒りを覚える」
といった、私の予想をはるかに超える質の高い内容だったのです。
私は恥ずかしかったです。
生徒たちを見くびっていた自分。
マニュアルが、まったく陳腐で無意味なものに感じました。
生徒たちの、鋭い洞察力
物語の根底に流れる「あわれ」を読み取る
瑞々しい感性
豊かな知性
その素晴らしさに、驚かされると同時に、感動で胸がいっぱいになりました。
授業が進むにつれて、さらに、打てば響くような手ごたえを感じて
人にものを教えるって、こんなに面白く楽しいものなのかと
将来、先生という職業に就きたいと、強く願ったのが
大学卒業後、PCインストラクターという職種を選んだきっかけだったと思います。
コメントをお書きください
寺内 (月曜日, 06 11月 2017 18:53)
素晴しいですね、
的確に意図を伝える文章。
羨ましいです。
僕には文才がないので・・・・
Mikiママのパソコンサロン (土曜日, 02 12月 2017 09:33)
寺内さん
コメントいただき、うれしいです。
ほめてくださると、やっぱりうれしいものですね�✨